1991年生まれ

西野さんは毎日裸足で過ごしている。幼い時に視力を失い、同じ頃に話すこともやめた。
彼の足裏や指先はとても繊細な動きで空間を把握する。
接するか接しないかくらいのタッチでそっと触り、舌や歯も使って周りの世界を確認する。
気になるものは噛みちぎって小さくし耳に差し込み、そこから伝わる刺激と音を身体の中にめぐらせているかようだ。
これらは、その過程が形になった破片である。
昼ごはんの最後に熱いお茶をすすり、その紙コップの縁をちぎって耳に入れて、ゆっくり食事の余韻を楽しむ。
これが西野さんのスタイル。

 

<主な展覧会>
2017 「工房集展 生きる ― 働く ― 暮らす ― 表現」くらよしアートミュージアム無心(鳥取県)
2017 第8回埼玉県障害者アート企画展「うふっ埼玉でこんなのみつけちゃった♪」埼玉県立近代美術館(埼玉県)
2017 「表現の根源」日本大学藝術学部 江古田キャンパス A&Dギャラリー(東京都)
2019「ここから4展」国立新美術館(東京都)