野田夢友作品展を開催中です

野田夢友作品展「描くことの切実さを巡って」、本日から7月22日(土)まで開催中です。
早速、初日からご来場ありがとうございます!
本展では、野田さんが工房集で過ごした13年間に描いた作品の中から、80点程を展示しています。

また、本展では、アートディレクターの中津川浩章さんにご協力をいただきました。展覧会について文章をよせていただきました。ありがとうございます。

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野田夢友作品展「描くことの切実さを巡って」によせて

「クレヨンによる確信に満ちた強いストロークで、イメージと身体の動きの間を行きつ戻りつ、意味と無意味のあいだを縫いながら野田夢友の美しい絵画は生まれます。
迷いなく深い森の中を突き進む旅人のように、彼はクレヨンを重ねていき、いつの間にか森を抜け出て、絵画が生まれます。通常は色を重ねすぎると色は濁り、美しく見えなくなるものですが、彼の絵画はその濁りが逆に色彩の深みとなり、見るものを夢の世界へと誘い出します。時折、画面の中には風景的なイメージが現れ、さらに静けさをたたえ、不思議な象徴性を獲得しています。
野田夢友は、色彩を重ね、予想もできなかった色彩を生み出し、象徴性を帯びたイメージをつくり美しさの概念を変えていくことができる画家です。そして彼の絵画は彼が日常発している唸り声にも似て、深く低く私たちの感覚の内部に入り込んできます。」

2011年に発行された野田夢友の作品集に寄せたこのテキストを読み直し、彼の一番乗っていた時期の作品について書くべきことは書いてあるとあらためて思いました。とはいえ不意に生きることを終えてしまった作家について、いまこうして遺された作品を眺めるとき、やはり前とは少しだけ印象が違って見えてきます。

透明色を使った激しい色使い、強い筆圧のタッチ、身体の運動性、反復による画面は不透明色を上から塗る重ねることによって重層感が生まれ、絵画としての「強度」を獲得しています。
単なる「表出」から、描くことによって分節化され「表現」へと変化していく、そうしたオーソドックスな表現の変化のプロセスを経て、ここ何年かの間に野田はそこからもう一度、表出に戻ってきていました。色、タッチ、筆圧が固定化され、ある意味表現が紋切型になっていきます。これは意図的なのか、そうせざるを得なかったのか、いわゆる障害による退行のためなのかわかりません。しかし彼がそれでも驚異的なエネルギーで描き続けた、その凄まじさ、切実さに見ていると震えがきます。

彼の最近の作品から感じた「出口のない感情を生きる」ということ、そのリアリティの切実さはある意味人間存在の在り様そのものだと言えます。野田は何を考え感じていたのか聞いてみたかったのですが、もう彼はこの世界からいなくなってしまいました。しかし、彼の絵はここにあり、絶えずいろいろなことを私たちに投げかけてきます。それは彼が生きていたときと同じように謎に満ちています。

アートディレクター中津川浩章
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展覧会は7/22(土)まで工房集で開催中です。7/15(土)、7/16(日)、7/17(月・祝)は休館となります。
みなさまのご来場をお待ちしております!

詳細はこちらをご覧ください。
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